相続税が逆に高くなる!?アパート建築の落とし穴不動産相続・相談コラム | 吉川・三郷エリアの不動産ならピタットハウス吉川店-株式会社アクシア-
相続税が逆に高くなる!?アパート建築の落とし穴
「相続税を節税するためにアパートを建てたのに、結果的に税額が増えてしまった」
そんな信じがたいケースが実際にあることをご存じでしょうか。
アパート建築は長年「相続税対策の王道」として扱われてきました。貸家建付地の評価減や、借入による資産圧縮を利用できるからです。しかし、今後は過去の出来事は参考にしにくいでしょう。物価上昇、金利上昇、市況環境や昨今の税制では、この方法が逆効果になることが少なくないのです。今回は、その具体的な落とし穴について解説します。
1. 借入が「純資産」を押し上げてしまう?
アパート建築でよく行われる手法が「借入をして建物を建てる」というものです。
一見すると借入金がある分、相続税評価額は圧縮されるように思えます。
しかし、実際には以下のような仕組みで「逆効果」となるケースがあります。
- アパート建築費として2億円を借入
- 建築したアパートの評価額は1億3,000万円(評価減により時価より低く算定)
とした場合、効果があるのは2億円-1億3,000万円=7,000万円まで。
つまり、2億円の多額の借金をしても7000万円分の圧縮効果しか生みません。当然借入はどんどん減っていくため、建てた10年後には相続税額がかえって増加する可能性が十分あるのです。
2. 税制改正による「節税効果の縮小」
かつては「アパートを建てれば時価と評価額の差が大きい=節税効果が大きい」とされていました。
しかし、これは土地の価値がほぼ横ばいの情勢だった時の話です。今後は時間軸で将来設計をしていかないといけません。
- 相続税評価がどんどん上がっている
- 税務当局が「過度な節税スキーム」を厳しくチェックしている
結果として、以前なら数千万円単位で効果があったケースも、現在ではごくわずかな減額にとどまることが多いのです。
3. 想定外の「二重負担」にも注意
さらに怖いのは、アパート建築によって「二重の負担」が生じることです。
- 相続税の増加
借入をして建築したにもかかわらず、評価額の圧縮が十分でなく、相続税額が増える。 - 賃貸経営の赤字
空室率の上昇や修繕費増大によって、経営が赤字化する。メンテナンス不良の物件で価値が落ち、借金だけが残る可能性。
相続人は「相続税も払わなければならないし、赤字経営の不動産も抱える」という苦しい立場に追い込まれかねません。
4. 実際の事例:節税のつもりが「負の遺産」に
ある地主さんのケースを紹介します。
- 郊外の土地にアパートを新築(借入2億円)
- 節税効果を期待したが、実際の相続税評価額は予想より下がらず
- 相続人が相続税を支払うために、他の不動産を売却
- アパートは築15年で空室が増加、収益は低迷
- 修繕費負担もかさみ「残してくれて迷惑」と相続人が不満の声
このように、「節税したつもり」が「負の遺産を残す」ことにつながるのです。
5. なぜ「逆効果」が起きるのか?
理由は大きく3つに整理できます。
- 借入額と評価額の乖離
借金の金額にしか目がいかず、建築することで新築アパートの評価が相続税に加わることを見落としている。 - 収益性の低下
人口減少やエリアの競争激化により、賃料収入が予想を下回る。 - 出口戦略の欠如
将来売却や承継の計画がなく、「残すだけ」の発想になっている。
これらの要素が重なれば、節税どころか税額増+赤字経営という最悪のシナリオに陥ります。
6. どう回避すればよいか?
「相続税を減らす=アパートを建てる」という短絡的な発想をやめることが第一歩です。
- 現金・金融資産のバランスを考える
・相続人が納税できる現金を確保する方が安心。 - 他の節税策を検討する
・小規模宅地の特例や生前贈与、資産組み換えなどを組み合わせる。 - 専門家チームに相談する
・税理士、不動産の専門家、司法書士などを交えて総合的に検討する。
特に「借入を伴うアパート建築」はインパクトが大きいため、必ず複数の専門家の意見を確認してから判断すべきです。
まとめ
「アパートを建てれば相続税は下がる」という常識は、もはや過去のものです。
むしろ、借入と建築費のバランスによっては相続税が増えることすらあります。
- 借入で資産を増やすことが、結果的に税負担を押し上げる
- 修繕費や空室リスクが追い打ちをかける
- 相続人にとって「負動産」になりかねない
大切なのは「節税」だけでなく「家族が安心して引き継げる相続対策」です。
安易なアパート建築に頼らず、総合的な資産戦略を考えることが求められています。
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